Web制作会社が倒産した・担当者が行方不明
弊社には1日十数件のお問い合わせがあります。そのほとんどはホームページ制作についてのお問い合わせなのですが、稀に現ホームページ管理者・業者と連絡がつかない、ホームページが消えたなどのお問い合わせもあります。管理者・業者不在の場合、一体どう言ったリスクがあるのでしょうか。
サーバーやドメインの管理ができない
ホームページ制作会社との連絡が取れない場合、サーバーやドメインの管理に問題が生じる可能性があります。具体的にはドメインの更新ができず、ドメイン自体が失効してしまうリスクや、レンタルサーバ管理費用が支払えず、ホームページの運営が止まる、などです。更新やトラブルシューティングが必要な場合、連絡が取れないと問題の解決に時間がかかることがあります。
またドメインの権利者がホームページ制作会社のままであった場合、新たな業者に依頼するにもドメインが移管できず、ホームページだけでなくメールアドレスも使えなくなる場合もあります。
制作途中の場合はプロジェクトの進行だけでなくコストの増加も
制作中にホームページ制作会社と連絡がつかない場合には、プロジェクトの進行に問題が生じ、会社と連絡がつかない場合、予算や納期が延期される可能性があります。これによって、他のビジネスプロセスやマーケティング活動の計画が遅れることがあります。新たな事業計画にホームページ制作が組み込まれている場合には、事業自体を仕切り直す必要があります。
契約書や法的な規定に違反する可能性があるため、法的な係争に発展する場合もあります。特に、前払い料金を支払ったにも関わらず、サービスを受けることができない場合、問題が顕著になるでしょう。
顧客との信頼関係の悪化
WordPressなどのCMSを導入していない場合、新たな情報が供給されないことで、顧客との信頼関係が悪化する可能性があります。顧客は、担当者との頻繁なコミュニケーションを通じて、プロジェクトの進捗状況や要件の変更などを共有することを期待しています。ホームページ所有会社の営業日から、商品・サービス案内、最新のナレッジなど顧客の要望に応えられず失脚につながる恐れもあります。
どんな対処が必要か
実際に連絡がつかなくなった場合、ドメイン・メールアカウントの保全、ホームページのコンテンツの保全が必要です。それと同時に、制作会社とのコンタクトを忘れないようにしてください。
また、完全に連絡が取れない場合はWeb業界に精通した知識がないとホームページだけでなくビジネスチャンスを逃すことにもなりかねません。(過去の倒産事例はこちら)制作会社と完全に連絡がつかない場合も管理機関に直接呼びかけるなど保全方法はありますので、冷静に対処をしましょう。
まずはドメイン・ホームページ・メールを保全
- JPRSなどのドメイン管理団体に直接連絡をとり、ドメインを保全する
- 現在レンタルサーバ上に掲載されているコンテンツのフラッシュバックアップを作成する。コンソールが使える場合などはwgetなどで見つけにくいファイルも保全する
- メールがPOPの場合は新アカウントでの上書きを避けるため過去のメールをバックアップ、IMAPの場合は、サーバ上のメールをPHPを利用して別サーバに保全、復旧できるように準備する。
- 汎用JPや属性型ドメインの場合は、履歴事項全部証明を準備、gTLDの場合は会社案内も準備。英語への翻訳が必要な場合も。
とにかく連絡を取る
- 電話やメールで連絡を試みる: 最初に会社の連絡先を確認し、電話やメールで連絡を試みます。もし連絡が繋がらない場合、留守番電話にメッセージを残すか、メールで問い合わせのメッセージを送るようにしましょう。
- 社会メディアやSNSで問い合わせる: 制作会社が公式な社会メディアアカウントを持っている場合、そこからも連絡を試みることができます。コメントやダイレクトメッセージで問い合わせてみましょう。
- 受付担当者や担当者以外の相手に連絡を取る: もし受付担当者や担当者以外の連絡先が手元にある場合、別の相手に問い合わせてみます。会社の連絡先を検索して他の担当者か管理者に連絡してもいいでしょう。
- 訪問して話を詰める: もし連絡を試みても全く反応がなく、重要な事案や緊急を要する場合は、直接会社を訪れて面談を試みることも検討してください。
- リーガルサポートや消費者保護団体に相談する: もし連絡が全く取れず、トラブルが起きているような場合、リーガルサポートや消費者保護団体に相談することも検討してください。法的なアドバイスやサポートを提供してくれる可能性がありますが消費者団体に知識が不足しているためあまり良い経験はありません。
- Twitter(2023年Xに改名)で情報提供を呼びかける: Twitter(X)は検索エンジンへの掲載が比較的早く、Twitter(X)内で情報を検索する方も多いです。同じ被害に遭っている方をいち早く見つけ情報を共有しましょう。
弊社では、以前、他のホームページ制作会社が倒産した際、ドメインの保全のためにJPRSと交渉しドメインを保全しました。(JPRSとのドメインの交渉についてはこちら)ドメインが使用不可能になると、社会的な交流ツールの大半が利用できないことになります。重要なのは、冷静に対処することです。連絡がつかない状況になった場合でも、焦らずに物事を進めるようにしましょう。
もし連絡がつかない場合、今のホームページを保全したい場合はアナログエンジンまでご連絡ください。
1999年創業、創業20数年のホームページ制作&Webシステム制作会社。滋賀県のみならず、北は秋田、南は鹿児島まで広い地域でお客様がいます。デザインからシステム、コンサルティングや補助金のご相談までお任せください。認定DXアドバイザー在籍。